債務整理入門〜はじめに〜
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サラ金から借金している人はおよそ1500万人以上もいるといわれています。サラ金とはサラリーマン金融を短くしたもので、消費者金融ともいいます。サラ金は、サラリーマンのほかに専業主婦などの無職者、アルバイト、パートなどにお金を貸しています。 しかし、サラ金の金利は非常に高いため、いずれ返せなくなってしまいます。借金の返済をするために新たな借金をせざるを得なくなり、借金が雪だるま式に増えていくのです。 現在でもサラ金の借金を返せなくて困っている人がおよそ150万人から200万人はいるといわれています。この数は今後もっと増えると見られています。 この人たちのうち自己破産の申立てをした人は平成18年ではおよそ16万6千人です。 このほか厳しい取立てに耐えかねて夜逃げした人が10数万人はいるといわれています。平成17年に経済的理由で自殺した人はおよそ7760人もいます。1日21人近くが自殺しているのです。しかも、経済的理由で自殺した人はここ数年増える傾向にあります。 しかし、夜逃げをしても借金はなくなりませんし、自殺すれば残された家族が悲しみます。 そもそも借金のために夜逃げや自殺する必要はありません。借金を整理すればいいのです。借金の整理方法には任意整理、自己破産、個人再生などがあります。これらの方法を用いることにより借金は必ず整理できます。勇気を出して借金を整理するために一歩を踏み出してください。 |
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目次
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まず、消費者金融業界の構造から説明しましょう。 一言で言うと、消費者金融業界はピラミッド構造になっています。最上位にアイフル、アコム、武富士、プロミス、レイク、CFJといった大手6社があります。そして、その下のピラミッドの真ん中辺りにはいわゆる中堅の消費者金融業者が存在します。さらに、ピラミッドの底辺にはいわゆる「ヤミ金」と呼ばれる業者がたくさん存在している状態です。 |
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さて、消費者金融業者の商売方法ですが、これらピラミッドの上位に位置する会社は、利息制限法と出資法という二つの法律のグレーゾーンで商売をしています。 利息制限法というのは、利息を取っていい上限を決めている法律です。この法律によると、上限金利は10万円未満の借り入れに対しては20%、10万円以上100万円未満であれば18%、100万円以上は15%となっています。つまり、この割合を超えた金利をつけてはならず、つけた場合には超えた金利の部分は無効ということになっているのです。しかし、この無効というのは民事上のものであり、刑事責任が問われるものではありません。 一方出資法というのは、現在29.2%という上限金利を規定しているものです。こちらは利息制限法と違って刑事責任が問われ、違反すると懲役5年以下または1000万円以下の罰金という刑事罰が科せられます。また、民事上も公序良俗に反して無効です。 |
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この二つの法律の上限金利には、最大で14.2%のズレがあることは見て分かりますね。100万円以上貸した場合、利息制限法に基づけば15%までしか利息を取れないのに対し、出資法では29.2%まで利息を取っても罰せられないのです。このズレをグレーゾーンと呼んでいます。このグレーゾーンを利用して商売をしているのが、消費者金融業者なのです。ところが、大抵の人達はこのような法律の存在を知りません。ですから、契約をしたのだからということで、請求されれば本当は支払わなくてもよい、余分な利息まで払ってしまっているわけです。 |
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昭和58年頃、消費者金融業者の厳しい取立てが社会問題になったことがありました。その取立ては、自宅や職場に押し掛けるなど苛酷なもので、借りた人は近所の手前や会社の手前もあり非常に悩まされました。更には、店に呼び出して本人を拘束し、友達や親戚、会社の上司などに電話を掛けさせて、お金を借りさせることもありました。そこで、貸金業法で厳しい取立てを制限することになりました。 大手と呼ばれる消費者金融業者の下には、中堅の消費者金融業者がたくさん存在しています。その特徴が、この厳しい取立てです。中堅の消費者金融業者も大手と同じくグレーゾーンで商売をしています。従って、利息に関して刑事責任を問われることはありません。しかし、取立ての仕方は多くが違法なものです。例えば、早朝や深夜に自宅に電話を掛けて請求したり、職場に押し掛けていって債務者を困らせ、貸し金を取り立てるというものです。このような取立てについては貸金業法及び金融庁の事務ガイドラインが規制しています。そこではこのような厳しい取立てをしてはいけないことになっているのです。 |
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更に下のピラミッドの底辺に位置する業者は、いわゆる「ヤミ金」と呼ばれ、出資法や貸金業法などまったく無視してお金を貸し、暴利を取り立てています。 このようなヤミ金業者は、「といち(10日で1割の利息を取る)」、「とさん(10日で3割)」などの高い利息を請求しています。最近では「とよん(10日で4割)」、「とご(10日で5割)」までも請求する業者が多くなりました。これらの業者の取立ては更に苛酷なもので、本人を罵倒することはもちろん店に呼び出して殴る、蹴るなどの暴力を振るい、友達や親戚、会社の上司などに電話を掛けさせて、お金を借りさせます。そうやって貸し金を回収するのです。 |
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翻って、諸外国はどのような現状なのでしょう。例えばドイツやフランスなどは、そもそも高利貸しという業者自体、事実上存在しません。何故存在しないのかというと、一定の上限を超えて貸付をした場合には、市民がすぐ警察に告訴や告発をするからです。そして、それに対して警察もすぐに動き、業者を取り締まるため、日本のような高利貸しをしようと思っても難しいのです。また、上限金利も日本より随分低くなっています。 |
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これに対して、日本には今、高利貸しやヤミ金業者がたくさんいます。ドイツやフランスとは大違いです。その理由の一つに、上限金利がまだまだ高いことが挙げられます。出資法の上限金利は、以前100%を超えていました。それが、だんだん低くなってきて40.004%までになりました。そして、平成11年にいわゆる「商工ローン問題」が持ち上がりました。 この中心となったのが、日栄、商工ファンドという会社です。この2社が手形や小切手を使い、非常に高い金利で中小企業に対してお金を貸し付けました。その取立ては極めて苛酷なもので、例えば日栄は「腎臓を売れ」「目ん玉を売れ」と脅したりしていたのです。それが社会問題となり、規制が強化されました。そしてその時に、出資法の上限金利が40.004%から29.2%まで下げられたのです。けれども、この金利もまだまだ極めて高いものです。平成20年4月、銀行の普通預金の金利は0.2%程度、定期預金でさえ1%を遥かに切っています。そんな状況において、出資法の上限金利が29.2%というのは、異常と言っていいほど高いのです。 また、利息制限法の上限金利も非常に高いですね。銀行の預金金利が1%を切っており、貸出金利も平均約定金利が1%未満にある状況のなかで、100万円以上の貸出について15%の金利というのは非常に高いといえます。本来であれば、もっと低くなければならないはずです。10%を切る金利でなければならないと思います。 |
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日本では今、ヤミ金業者が激増しています。これは、日本経済の状況と非常に深い関係があります。バブルが弾けてからもう10年以上になりますが、景気の波はありつつも基本的には不況です。失業率も非常に高まっています。こういう状況では、経済的に困っている人というのは当然増えていくわけです。そういう人達が借り入れをするようになります。借り入れも、銀行の今の金利程度ならまだ良いのですが、そのうちサラ金に手を出すようになるわけです。ここで思い返して欲しいのは、先程のピラミッド構造です。 まず銀行借り入れをして、それで足りなくなった人というのは、次にクレジット会社のカードでキャッシングをします。このカードでの借り入れというのは、利息制限法の上限金利を超える金利の場合が多いのです。この辺りから、金利がかなり高くなっていきます。クレジットカードを使って借り入れをするようになった人が更に足らなくなると、次は大手のサラ金業者に行くわけです。ピラミッド構造の一番上の業者から借り入れをしていくのです。 こういう業者というのは、テレビを見てもらえば分かるように、CMをたくさん流しているため馴染みがあります。それから、無人契約機をどんどん導入し、対面でなくても遠隔操作で契約ができるようになったことで、借り入れのしにくさというのをかなり補えるようになりました。このような形でサラ金から借り入れを始めるようになります。そこから、大手業者では足らなくなると、次は中堅の業者から借り入れをするようになっていきます。それでも足らなくなると、更に底辺のヤミ金業者から借り入れをするようになります。しかし、先ほど述べたようにヤミ金業者というのは非常に金利が高いので、そのうち返せなくなってしまうのです。 |
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このように借金を返せなくなった時にどうなるかというと、厳しい取立てが待っています。例えば、自宅に電話を掛けて請求したり、職場に押し掛けていって債務者を困らせ、貸し金を取り立てます。さらには業者の店に呼び出して殴る、蹴るなどの暴力を振るい、友達や親戚、会社の上司などに電話を掛けさせて、お金を借りさせます。本人だけでなく家族にまで取立てをしてきます。 このような厳しい取立てにあったときに一番よいのは弁護士に相談することです。弁護士は、厳しい取立てを止めさせ、借金の返済をストップした上で、利息制限法に基づいて引き直し計算して借金を減らし、残った借金の返済が可能な場合は和解します。それが不可能な場合は自己破産の申立てをします。そうして債務者を救っていくわけです。これが一番良い方法なのです。できれば取立てにあう前に相談した方がよいですね。 しかし、弁護士に相談する人ばかりではありません。例えば、夜逃げをする人がいます。夜逃げをすると、当面は業者の取立てから逃れることができます。しかし、問題はその後です。夜逃げをし、別の土地で生活を始めると、その地域の生活に馴染んで行くに従って住民票の移動というのが必要になります。例えば子供がいる場合、子供を学校に通わせるためには住民票が必要になります。また、就職する場合もしばしば住民票が必要になります。健康保険に加入するためにも住民票は必要です。このように、新しい土地で生活を続けていくためには何らかの理由で、住民票を移す必要が出てきます。ところが、サラ金業者は調査部門というものを持っていて、住民票をチェックしています。ですから、住民票を移した途端、サラ金業者に見つかりまた取立てが始まってしまうのです。結局、夜逃げをしてもイタチごっこになってしまい、最終的な解決は図れません。取立てが来ないようにするには、住民票を移さないままずっと生活を続けていかなければならず、非常に不便です。このように、夜逃げというのはよい方法とは言えません。 さらに、自殺をしてしまう人がいます。だいだい平均して一日に20人から25人の割合の人達が、経済的理由で自殺をしています。自殺というのは一番悲惨で、本人の命がなくなるのはもちろんのこと、残された家族が非常に大変になります。だから、絶対に自殺をしてはいけません。解決する方法は必ずあるのですから。 |
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債務整理の方法というのは大きく分けて三つあります。一つは任意整理です。この方法では、弁護士が依頼者の代理人になって債権者と交渉をします。そして、和解を成立させ、その和解に基づいて支払いをしていきます。これが任意整理という方法です。 もう一つは、自己破産という方法です。依頼者が借金を返済できない場合には、和解をすることができないので、裁判所に自己破産の申立てをします。この場合は、免責許可決定というものを貰うことが目的になります。免責許可決定を裁判所から貰うと、借金を払わなくてもよくなります。借金から解放されるのです。 三つ目は、個人再生の申立てというものがあります。これは、主に住宅ローンを抱えている人が利用するとメリットがある手続きです。具体的に言うと、住宅ローンを抱え、尚且つそれ以外の借り入れもあって、返済が行き詰まった人については、自己破産の申立てをしてしまうと、最終的には自宅を手放さなくてはならなくなります。しかしながら、自宅を購入している人というのは、大抵自宅に対して非常に強い愛着を持っていますので、できるだけ自宅を手放したくないという希望があるわけです。そこで、その希望を叶える手続きが個人再生手続きになります。これはどういう手続きかというと、まず、住宅ローン債権と、他の一般再生債権を分けます。分けた上で、一般再生債権については支払額を大幅に下げます。 例えば、一般再生債権が1000万円あった場合、200万円払えばよく、あとの800万円は払わなくてよい場合もあります。そういう形で負債を圧縮します。一方で、住宅ローン債権については月々の弁済金額を調整したうえで、長期に渡って返済していくという形を取ります。こうすることによって、サラ金の債権を始めとした一般再生債権の負担を減らす一方で、自宅は手放さなくてもよくなるという手続きです。これが個人再生手続きの中で、住宅ローン条項を用いた場合の手続きです。大きく分けると、債務整理の方法としてはこの三つがあります。 |
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依頼者が最初に弁護士を訪ねて来てから債務整理をどのように行うか、その判断の枠組みとその後の手続きについてお話をします。 まず始めに、依頼者にいろいろなことを聞きますが、そのポイントがいくつかあります。一つ目は、債務総額です。依頼者が、何軒の借り入れ先から合計でいくらの借り入れがあるかを聞きます。 二つ目に、収入を聞きます。これは、月々の手取りベースの収入と、ボーナスも含めた年間の収入の二つです。そして、この収入から生活に必要な金額等を引いて、月々借り入れの返済にいくらまわせるかを聞きます。月々返済できる金額が分かると、その金額から年間いくら払えるかが分かります。そして、その年間の返済金額を更に3倍します。つまり、3年でいくら払えるかということが計算できるわけです。それが一つの基準になります。借り入れ金額に対し、3年間で返済が可能なようであれば、債務整理の方法としては、任意整理という方法を取ります。 |
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ここで一つ注意しておきたいのは、依頼者が申告する借り入れの総額というのは、債権者が請求している金額をそのまま言う場合が圧倒的に多いということです。しかし、その額というのは、多くの場合減額されます。それはどうしてかということを説明しましょう。 金利の上限を定めている利息制限法によると、上限金利は10万円未満の借り入れに対しては20%、10万円以上100万円未満の場合は18%、100万円以上だと15%となっており、それを超える金利を定めても超える部分については無効となります。しかし実際は、サラ金業者はそれよりずっと高い金利を取っています。そこで弁護士は、依頼があるとまず、利息制限法に基づいて引き直し計算というものをします。 例えば、利息制限法の上限金利が15%だとして、サラ金業者が25%取っていたとします。そうすると10%分の利息を取り過ぎているわけです。その取り過ぎた10%分を元本に組み入れます。そうやって、取り過ぎた分をその都度元本に組み入れていくことにより、元本自体をできるだけ減らしていくのです。このような計算の仕方を、利息制限法に基づく引き直し計算と言います。引き直し計算をすると、ほとんどの場合、サラ金の債権はサラ金業者が主張する金額より減額されます。こうして元本そのものを大幅に減らしていくということをします。 そして、弁護士はこの引き直し計算された後の元本について和解案を提示していくことになります。その和解案は、それまでの利息や遅延損害金、あるいは将来の利息をすべてカットし、引き直し計算後の残元本のみを分割して払っていくというものです。その返済にかかる期間の目安が、3年ということになります。3年で分割返済が可能であれば任意整理ということになりますし、不可能ならば自己破産の申立てをするわけです。これが、任意整理にするか自己破産にするかという判断の枠組みです。 それから、個人再生の申立てをするかどうかについては、まず、住宅ローンがあるかどうかということがポイントです。更に、住宅ローンがあるが、自宅を手放すことを望まないかどうか、つまり、そのまま自宅に住み続けたいと強く希望するかどうかがポイントになります。その後に、個人再生の申立ての要件を備えているかどうかがポイントになります。少し具体的に説明しましょう。 一般再生債権を大幅に減らした後でも住宅ローンは残るので、その後長期に渡って住宅ローンは払っていかなければなりません。その支払い能力があるかどうかが一番のポイントになります。長期の返済ですから、安定的、継続的な収入があるかどうか、また、生活費を引いた上で住宅ローンを支払えるだけの返済原資を確保できるかどうかということがポイントになるわけです。細かい要件については民事再生法で規定されているので、その要件に照らし合わせて判断していきます。ですから、債務整理の方法としては三つあるのですが、大きな枠組みとしては任意整理か自己破産かの判断をし、住宅ローンがある場合には個人再生の申立てを考えるということになります。 |
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任意整理は、分割で3年程度を目安に返済していくことが可能な債務者の場合に用いられる債務整理の手続きです。任意整理はまず、弁護士が債権者に対して、弁護士の介入通知を送ることから始まります。 この介入通知というのは、いくつかの意味を持っています。一つは、弁護士が代理人として債務整理の委任を受けたことを、債権者に対して知らせるという意味があります。この受任の知らせは、さらにいくつかの効果を発生させます。まず、貸金業法及び金融庁の事務ガイドラインに基づき、債権者はそれ以降、直接債務者に対する取立てができなくなるという効果が発生します。従って、債権者は債務者に対して直接請求や連絡などをしたり、ましてや、自宅や職場に押し掛けたりすることはできなくなります。このことによって、債務者は取立てから解放されます。これが、もっとも大きな効果だと言ってよいでしょう。取立てから解放されれば、債務者は通常の生活を営むことができるようになります。ですから、できるだけ早く、弁護士に依頼した方がよいのです。 それから、弁護士が介入することを通知すると、債務者はしばらく返済から免れることができます。これは、法律上の効果ではありませんが、弁護士がその後債務総額を調査して、和解案を提示するまでに当然ある程度時間が掛かり、その間は債権者の誰にも返済をしないというのが公平であるため、そのような運営になるわけです。法律上は、その間も債権は存続しますが、実際はしばらく支払わなくてもよいという状態になります。 それから、債務整理を依頼にくる債務者というのは経済的に困っている人が多いので、しばしば弁護士費用を一括で払うことができません。このような弁護士費用について、一括で支払えない場合は分割支払にも応じています。まず、弁護士が介入通知を出して債権者に対する支払いを止めておいて、支払いを止めた中の一部を弁護士の費用に充てて頂きます。具体的に言うと、債権者には高金利で支払いをしている場合が多いので、例えば毎月15万円払っていたとすると、止めることによって当面15万円を払わなくてよくなるわけです。そのうちの5万円とか10万円とかを弁護士の費用に月々充てて頂いて、数ヶ月払って頂けば、弁護士費用はお支払い頂けます。このように支払いをストップさせて生活を安定させると同時に、弁護士の費用も分割で払って頂くという形で対応しているというわけです。 弁護士が債権者に対して介入通知を送る時には、債権調査表というものを一緒に送ります。そして債権者にその用紙に記入してもらうことで、債務者との取引を開示してもらいます。開示してもらうのは、最初の借入から現在に至るまで、全ての取引経過についてです。この開示は、貸金業法及び金融庁の事務ガイドラインに法的義務として定められているものです。几帳面な債務者であれば、取引の契約書や明細、カードなどを保管しているため、そこからある程度把握していた取引経過を、債権者が開示した債権調査表と付き合わせます。そして、それが合わない場合には債権者に問い合わせをします。また、債権者が全ての取引経過について開示をしない場合には、粘り強く、何度も何度も催促をします。それは、その間の取引について利息制限法に基づく引き直し計算をすると元本が減りますし、場合によっては過払いになる可能性があるからです。過払いの可能性は、取引期間が長ければ長いほど高くなります。ですから、債権者の方も最近の2、3年の取引についてしか開示してこないことも多いのです。 取引経過が開示されると、その取引について利息制限法に基づく引き直し計算をします。大抵の債権者は利息制限法の制限利率よりも高い利率でお金を貸しているので、引き直し計算をすることによって元本が減ります。こうして元本を減らし、元本が残っていれば、その元本について和解案を提示していくことになります。 |
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それでは、和解案の提示の仕方について少し説明しましょう。まず、ご依頼当初に依頼者から、月々に支払うことが可能な金額と毎月何日に支払をするかということを予め聞いておきます。そして、その範囲内で和解案を作成します。 例えば、月5万円の支払ができるということであって、債権者が5社であったとすると、その月5万円という範囲内でどのように5社に対して支払をしていくかという支払計画を立てるわけです。完済までの期間の目安は3年以内です。債務者によっては、早く完済してしまいたいという人もいますので、そういう場合は1年とか1年半で完済できるように計画を立てますし、逆に少し無理をしてでも自己破産をしないでがんばって返済していきたいという人もいますので、そういう場合は3年を超えてしまうこともあります。債権者も弁護士のこういった目安を知っていますので、3年以内に完済できる和解案であれば大抵何の問題もなく和解が成立しますが、3年を超えるとたまに抵抗を示す場合があります。そういう場合は、これくらいしかできないのだということで、時間をかけて説得をします。 和解案の提示にあたって和解の提案書とそれに対する承諾書というのは、弁護士が作成して送ります。そして、和解に債権者が応じれば、承諾書に記名・捺印したものを返送してもらいます。これで和解成立となります。和解が成立すると、債権者から送られてきた和解の承諾書を依頼者に送ります。 |
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次に自己破産について説明をしましょう。3年くらいかかっても返済できないという場合、基本的には自己破産の申立てをするということになります。 この場合、債権者に対して介入通知を送るところまでは任意整理と同じです。その後はまず、裁判所に提出するための自己破産申立ての書類一式を債務者にお渡しします。その中には、自己破産及び免責の申立書、陳述書、財産目録、債権者一覧表が入っています。それに記入をし、必要な書類を揃えてもらいます。 必要な書類としては、例えば省略がなく全ての記載がある住民票、家を借りて住んでいる人であれば賃貸借契約書、最近2ヶ月間の給料明細、前年の源泉徴収票あるいは確定申告書の写し、預金通帳のコピーなどがあります。その書類を、破産申立書の中の記載に基づいて確実に揃えます。 |
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破産手続きについて説明しましょう。まず、個人の破産手続きは大きく分けると、2段階に分かれています。 第1段階は、破産の申立てそのものです。破産というのはどういう時に認められるのかというと、支払い能力がない場合です。負債が多すぎて、月々の収入から生活費を引いた上で、返済に回せる額を計算しても、とても全額返済できないという場合は、支払い能力がないということで破産が認められます。この場合には、裁判所が破産開始決定というものを出します。 破産開始決定後の破産手続きには大きく分けて同時廃止という手続きと異時廃止という手続きの二つがあります。本来の破産の手続きから行くと、異時廃止の手続きが原則です。異時廃止の流れを少し説明しましょう。破産の申立てをして、破産開始決定を受けた後、破産管財人が選任されます。そうすると、破産管財人が債務者の資産や負債を調査します。そして、資産があれば売却してお金に換え、そのお金の中から費用を差し引いた上で、債権者に配当をします。それが全て終わると、破産手続きは終了となります。しかし、この手続きをとる場合には、破産管財人の為の費用を予納金に上乗せして納めなければなりません。このお金は、通常50万円は必要なため、多くの債務者には用意できません。そこで、東京地裁は少額管財手続きという制度を設け、20万円まで金額を下げました。20万円であれば用意できるという人もいるため、現在はこの少額管財手続きが増えています。これが、異時廃止というものです。 もう一つの同時廃止という手続きは、資産がほとんどない人の場合にとられます。このような場合には、破産管財人をつけてもその費用も賄えないので、破産開始決定と同時に破産手続きを終了させてしまうというものです。個人の破産手続きの場合、この同時廃止の手続きを取ることが多くなっています。ですから、実際の運用はこちらの同時廃止の方が、原則になってしまっています。これらが本来の意味での破産手続きです。 第2段階の手続きは、免責の手続きです。個人の場合、借金を支払わなくてもよい状態にするために破産の申立てをするので、ただ破産開始決定を受けただけでは大きなメリットはありません。借金を支払わなくてもよい状態にするには、免責許可決定を受けなければなりません。そのために第2段階の手続きとして、免責手続きというものがあるのです。破産手続きが終わったら、免責の申立てをして免責手続きに移ります。免責手続きでは、債務者について免責不許可事由があるかどうか調べます。免責不許可事由というのは、ギャンブルをしたとか、高級なアクセサリーや時計などの贅沢品を買った、あるいは債権者に嘘をついてお金を借りたとか、裁判所に嘘の申立てをしたことなどです。これらについて、裁判所に呼ばれて聞かれることになります。そして、免責不許可事由がなければ裁判所から免責許可決定が出されます。免責許可決定が確定すれば、借金を支払わなくてよくなります。この免責許可決定を貰うことが、自己破産の申立てをする目的なのです。 このように個人の破産手続きは、破産申立てと免責申立ての2段階になっています。 |
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個人再生手続きでは、自己破産で免責許可決定を貰う代わりに再生計画の認可決定を貰います。住宅ローンの返済計画と、金額を大幅に減らした後の一般再生債権についての返済計画を弁護士が提出し、裁判所がそれを審査して、再生計画の認可決定を出します。この決定が確定すれば、一般再生債権は大きく圧縮されるし、再生計画に基づいて住宅ローンを返済していけば、住宅を手放さずにすむということになり、当初の目的は達成されます。
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これまで借金の整理について説明してきましたが、大切なことは借金は必ず整理できるということです。夜逃げや自殺をする必要は全くありません。勇気を持って借金を整理するために一歩を踏み出してください。
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